社会福祉士とは、専門知識、技術をもって、心身や環境上の理由から、日常生活を送るのに支障がある人たちの相談にのり、助言、援助を行う社会福祉業務に携わる人の国家資格(名称独占)です。
社会福祉士の就職・仕事内容や平均給与など
就職・転職
この資格だけで就職は可能です。年収は余り多くない(年400万位)。特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、医療施設、児童福祉施設、身体障害者福祉施設、生活保護施設、知的障害者福祉施設、婦人施設、社会福祉施設など
仕事内容
高齢者や障害者、生活困窮者など、日常生活を送るのに支障がある人たちの相談にのり、助言、援助を行います。
資格試験概要
受験資格
1.4年制大学で指定科目を修めて卒業した者。(受験年の3月31日までに卒業見込み者を含む)
2.2年制(又は3年制)短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設において2年以上(又は1年以上)相談援助の業務に従事した者。(受験年の3月31日までに卒業見込み者を含む)
3.社会福祉士短期養成施設(6月以上)を卒業(修了)した者(受験年の3月31日までに卒業見込み者を含む)
4.社会福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業(修了)した者。(受験年の3月31日までに卒業見込み者を含む)
5.児童福祉司、身体障害者福祉司、福祉事務所の査察指導員、知的障害者福祉司及び老人福祉指導主事であった期間が5年以上ある者。(受験年の1月28日までに5年を満たす者を含む)
試験内容
●学科(多肢選択式)
□人体の構造と機能及び疾病
①人の成長・発達、②心身機能と身体構造の概要、③国際生活機能分類(ICF)の基本的考え方と概要、④健康の捉え方、⑤疾病と障害の概要、⑥リハビリテーションの概要
□心理学理論と心理的支援
①人の心理学的理解、②人の成長・発達と心理、③日常生活と心の健康、④心理的支援の方法と実際
□社会理論と社会システム
①現代社会の理解、②生活の理解、③人と社会の関係、④社会問題の理解
□現代社会と福祉
①現代社会における福祉制度と福祉政策、②福祉の原理をめぐる理論と哲学、③福祉制度の発達過程、④福祉政策におけるニーズと資源、⑤福祉政策の課題、⑥福祉政策の構成要素、⑦福祉政策と関連政策、⑧相談援助活動と福祉政策の関係
□地域福祉の理論と方法
①地域福祉の基本的考え方、②地域福祉の主体と対象、③地域福祉に係る組織、団体、及び専門職や地域住民、④地域福祉の推進方法
□福祉行財政と福祉計画
①福祉行政の実施体制、②福祉行財政の動向、③福祉計画の意義と目的、④福祉計画の主体と方法、⑤福祉計画の実際
□社会保障
①現代社会における社会保障制度の課題(少子高齢化と社会保障制度の関係を含む。)、②社会保障の概念や対象及びその理念、③社会保障の財源と費用、④社会保険と社会扶助の関係、⑤公的保険制度と民間保険制度の関係、⑥社会保障制度の体系、⑦年金保険制度の具体的内容、⑧医療保険制度の具体的内容、⑨諸外国における社会保障制度の概要
□障害者に対する支援と障害者自立支援制度
①障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要、②障害者福祉制度の発展過程、③障害者自立支援法、④障害者自立支援法における組織及び団体の役割と実際、⑤障害者自立支援法における専門職の役割と実際、⑥障害者自立支援法における多職種連携、ネットワーキングと実際、⑦相談支援事業所の役割と実際、⑧身体障害者福祉法、⑨知的障害者福祉法、⑩精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)、⑪発達障害者支援法、⑫障害者基本法、⑬心神喪失等の状態で重大な他害行為を行なった者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)、⑭高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)、⑮障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)
□低所得者に対する支援と生活保護制度
①低所得階層の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要と実際、②生活保護制度、③生活保護制度における組織及び団体の役割と実際、④生活保護制度における専門職の役割と実際、⑤生活保護制度における多職種連携、ネットワーキングと実際、⑥福祉事務所の役割と実際、⑦自立支援プログラムの意義と実際、⑧低所得者対策、⑨低所得者への住宅政策、⑩ホームレス対策
□保健医療サービス
①医療保険制度、②診療報酬、③保健医療サービスの概要、④保健医療サービスにおける専門職の役割と実際、⑤保健医療サービス関係者との連携と実際
□権利擁護と成年後見制度
①相談援助活動と法(日本国憲法の基本原理、民法・行政法の理解を含む。)との関わり、②成年後見制度、③日常生活自立支援事業、④成年後見制度利用支援事業、⑤権利擁護に係る組織、団体の役割と実際、⑥権利擁護活動の実際
□社会調査の基礎
①社会調査の意義と目的、②統計法、③社会調査における倫理、④社会調査における個人情報保護、⑤量的調査の方法、⑥質的調査の方法、⑦社会調査の実施にあたってのITの活用方法
□相談援助の基盤と専門職
①社会福祉士の役割と意義、②精神保健福祉士の役割と意義、③相談援助の概念と範囲、④相談援助の理念、⑤相談援助における権利擁護の意義、⑥相談援助に係る専門職の概念と範囲、⑦専門職倫理と倫理的ジレンマ、⑧総合的かつ包括的な援助と多職種連携(チームアプローチを含む。)の意義と内容
□相談援助の理論と方法
①人と環境の交互作用、②相談援助の対象、③様々な実践モデルとアプローチ、④相談援助の過程、⑤相談援助における援助関係、⑥相談援助のための面接技術、⑦ケースマネジメントとケアマネジメント、⑧アウトリーチ、⑨相談援助における社会資源の活用・調整・開発、⑩ネットワーキング(相談援助における多職種・多機関との連携を含む。)、⑪集団を活用した相談援助、⑫スーパービジョン、⑬記録、⑭相談援助と個人情報の保護の意義と留意点、⑮相談援助における情報通信技術(IT)の活用、⑯事例分析、⑰相談援助の実際(権利擁護活動を含む。)
□福祉サービスの組織と経営
①福祉サービスに係る組織や団体、②福祉サービスの組織と経営に係る基礎理論、③福祉サービス提供組織の経営と実際、④福祉サービスの管理運営の方法と実際
□高齢者に対する支援と介護保険制度
①高齢者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要(高齢者虐待や地域移行、就労の実態を含む。)、②高齢者福祉制度の発展過程、③介護の概念や対象、④介護予防、⑤介護過程、⑥認知症ケア、⑦終末期ケア、⑧介護と住環境、⑨介護保険法、⑩介護報酬、⑪介護保険法における組織及び団体の役割と実際、⑫介護保険法における専門職の役割と実際、⑬介護保険法におけるネットワーキングと実際、⑭地域包括支援センターの役割と実際、⑮老人福祉法、⑯高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)、⑰高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)、⑱高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者居住法)
□児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
①児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力(DV)、地域における子育て支援及び青少年育成の実態を含む。)と実際、②児童・家庭福祉制度の発展過程、③児童の定義と権利、④児童福祉法、⑤児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)、⑥配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)、⑦母子及び寡婦福祉法、⑧母子保健法、⑨児童手当法、⑩児童扶養手当法、⑪特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)、⑫次世代育成支援対策推進法、⑬少子化社会対策基本法、⑭売春防止法、⑮児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際、⑯児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際、⑰児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際、⑱児童相談所の役割と実際
□就労支援サービス
①雇用・就労の動向と労働施策の概要、②就労支援制度の概要、③就労支援に係る組織、団体の役割と実際、④就労支援に係る専門職の役割と実際、⑤就労支援分野との連携と実際
□更生保護制
①更生保護制度の概要、②更生保護制度の担い手、③更生保護制度における関係機関・団体との連携、④医療観察制度の概要、⑤更生保護における近年の動向と課題
次の2つの条件を満たした者を合格者とする。
1.問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
2.1を満たした者のうち、以下の18科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては7科目群。)すべてにおいて得点があった者。
[1] 人体の構造と機能及び疾病
[2] 心理学理論と心理的支援
[3] 社会理論と社会システム
[4] 現代社会と福祉
[5] 地域福祉の理論と方法
[6] 福祉行財政と福祉計画
[7] 社会保障
[8] 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
[9] 低所得者に対する支援と生活保護制度
[10] 保健医療サービス
[11] 権利擁護と成年後見制度
[12] 社会調査の基礎
[13] 相談援助の基盤と専門職
[14] 相談援助の理論と方法
[15] 福祉サービスの組織と経営
[16] 高齢者に対する支援と介護保険制度
[17] 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
[18] 就労支援サービス、更生保護制度
(注意1)配点は、1問1点の150点満点である。
(注意2)社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、配点は、1問1点の67点満点である。
願書受付期間
9月上旬~10月上旬頃まで
試験日程
1月下旬頃
受験地
北海道、青森、岩手、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、島根、岡山、広島、香川、愛媛、福岡、熊本、鹿児島、沖縄
受験料
7,540円(共通科目免除者は6,360円)
精神保健福祉士と同時受験・・・・17,510円
合格発表日
3月中旬頃
受験申込・問合せ先
公益財団法人 社会福祉進行・試験センター試験室 03-3486-7559